開催都市と日付: ロシア連邦 (12月10日)
講師:藻谷 浩介
実施時間:10:00-13:30
講義概要
- 日本は中国人観光客の持ち込んだウイルスの感染拡大(2月)、欧米から帰国者の持ち込んだウイルスの感染拡大(3月)、東京で変異したウイルスの感染拡大(7月)と、3つの波を経験したが、厳しい外出制限をかけることなく、かつ医療崩壊を起こさずに乗り切ることができている。死亡率も1%未満に低下し、超過死亡も発生していない。その背景にあると思われる要因を解説する。
- 日本での新型コロナウイルスによる死者数は9月下旬現在で1500人台。人口100万人当たりで12人である。これは東アジア・東南アジアの中では良くない方だが(たとえば韓国は8人、中国は3人、タイは1人)、欧米よりは破格に少ない(たとえばロシアは138人、米国は612人、英国は622人)。その背景にあると思われる要因を解説する。
- 日本国内の47都道府県を見ると、人口当たり陽性判明者数の最も多い東京都、二番目に多い大阪府と、陽性判明者の少ない地方の県との間には、数十倍の格差がある。東京都の中でも、所得の高い区の方が、所得の低い区よりも感染が深刻化した。日本の各地方の感染状況の程度をロシアの州と比較して示し、感染が低レベルであることの背景にあると思われる要因を解説する。
- 日本では、人口密度が高く感染の拡大した東京や大阪から、人口密度が低く感染の拡大していない地方に移住したいという希望者が増えているとも言われる。どの程度までそのような現象が進むのかを解説する。
- オリンピックを機会にますますインバウンド観光を増やそうと期待していた日本の政府や企業は、コロナで大きく足をすくわれた形となった。来年のオリンピックの開催の可否と、今後のインバウンド観光の見通しについて解説する。
以上