独立非営利法人 «貿易経済交流発展のための日本センター»

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地域の活性化

開催都市と日付:スタブロポリ(9月12日)

講師:藻谷 浩介

実施時間:10:00-17:00

1時限目: 人口成熟の実態: 日本、ロシア、米国、欧州、中国

① 人口成熟とは、毎年の出生数の減少、高齢者の絶対数の増加、現役世代(生産年齢人口)の絶対数の減少、の3つの現象の総称である。経済学や政治の世界では、人口成熟ではなく人口減少(総人口の減少)が注目されがちだが、経済や企業経営に影響を与えるのは人口成熟、その中でも生産年齢人口)の減少である。

 

② 毎年の出生数の減少が始まって20年後に生産年齢人口の減少が始まり、生産年齢人口の減少が始まって15年後に総人口の減少が始まる。つまり、総人口の減少が始まってから騒ぐのは、40年遅い。日本では出生数の減少が1970年代後半から、生産年齢人口の減少が1990年代後半から、総人口の減少が2010年代前半から始まった。

 

③ 中国や欧州では、まだ総人口は減っていないが、生産年齢人口の減少はすでに始まっている。米国でも、生産年齢人口の増加はほとんど見られなくなっている。そして、中国、欧州、米国に共通して、高齢者の数が急増している。

 

④ ロシアでは出生者数が増え始めているが、生産年齢人口は減っている。平均寿命が短く、高齢者は増えていない。しかし今後、経済の安定が続けば、欧州と同じ減少が起きていくことになるだろう。

 

2時限目: 人口成熟が日本経済に与えた影響① かえって増した国際競争力

① アダムスミス以来の近代経済学では、生産年齢人口の減少は生産力を低下させ、供給不足でインフレを招くとされる。

 

② しかし生産や流通の分野で機械化、自動化、AI化の進む日本では、生産年齢人口の減少はまったく供給不足を生まなかった。

 

③ 労働者の減少は工業製品のコストを下げ、日本の国際収支は大幅な黒字となっている。2017年には、米国から13兆円、中国(+香港)から5兆円、韓国・台湾・シンガポールからそれぞれ2兆円以上、ドイツから5千億円の経常収支黒字を稼いだ。これは、世界で信じられている「日本の国際競争力は落ちている」という妄説とは真逆の事実である。

 

④ 日本の輸出品の主力は、車や電気製品ではなく、ハイテク部品、高機能素材、工作機械である。つまり、B to C ではなく B to B の製品であり、この転換が日本の競争力の維持強化という現実を見えにくくしている。

 

3時限目: 人口成熟が日本経済に与えた影響② 伸び悩む内需

① アダムスミス以来の近代経済学では、生産年齢人口の減少は生産力を低下させ、供給不足でインフレを招くとされる。しかし日本では生産力が落ちず、他方で需要数量が落ちたことから、逆にデフレを招くことになった。特に深刻なのが、一人1台、1戸を超えた需要の生まれない、車や家電、住宅の分野である。

 

② 日本の個人消費は1997年をピークに横ばいに転じ、「アベノミクス」に無関係に現在も横ばいのままである。そのためGDPも、計算方式を変えR&D費用を参入するなどしてみたものの、結局1997年の水準のまま推移している。

 

③ 解決策は賃上げによって消費性向の高い若者と女性の所得水準を向上させることだが、人口成熟に伴う下げ圧力を緩和し、横ばいに持ち込むのがせいぜいとなっている。

 

④ 外国人移民は、そもそも生産年齢人口の絶対数に比べて数が少なすぎ、幾ら増やしても問題を解決しない。

 

⑤ 同様の現象は、中国、欧州、米国でも需要の不振となっておき始めている。ロシアでも今後、同様の問題が顕在化してくる可能性がある。

 

4時限目: 内需不振への対応: アジア人観光客誘致の効果とノウハウ

 

① 日本では、外国人観光客の急増による消費増加が、人口成熟に対するカウンターパンチとして効き始めている。日本人の個人消費295兆円に対し外国人はまだ3兆円程度と、1%に過ぎないが、この1%を取り込めたビジネスは大きな利益を上げている。

 

② 日本では、豊かになった韓国、台湾、香港、シンガポールからの観光客が著しく増加しており、それに中国、東南アジアが続いていて、当面市場は急拡大を続ける。欧米人市場も、豪州を筆頭に成長が続く。ビザ用件の緩和は劇的な効果をもたらした。

 

③ 外国人観光客の消費を経済拡大につなげるキーワードは「地消地産」(地産地消ではないので注意)。消費されるものの原材料を極力地元産にすることが経済波及効果を拡大する。モデルはスイスで、反面教師は米国。ここに留意しないと、客数だけ増えても一向に地域に経済効果が波及しない。

 

④ ロシアでも今後、現在の著しく不自由なビザ制度が改善されれば、観光客の拡大は必ず起きる。そのときに「地消地産」(をできるかどうかが、ロシア経済への影響を左右する。

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